クロスチャンネル 冬子ルート
境界性パーソナリティー障害。強い不安感と自己否定感を持ち、誰かが近くに居ないと不安定になり、一度依存先を見つけると依存相手を束縛する特性のある人のことを心理学では境界性パーソナリティー障害と規定するらしい。
クロスチャンネルにおける、桐原冬子というキャラクターはまさにこのような特性を持ち合わせていた。
最初は自身が傷つくことを恐れ、プライドもあり、人との関わりを避けていたが、自分のことに興味を持つ主人公には惹かれ、付き合うこととなる。
主人公も最初はただ無口で見た目が可愛いと理由で付き合おうとしていたが、主人公の通う高校には異常者しかいない。
距離感のある付き合いでは分からなかった冬子の異常性を距離を縮めることで体験したのである。
過剰なまでの独占欲、他の女性と話すことも許されず、常に一緒にいることを強制される。
そのようにしなければ冬子自身の自我を保つことができないのであろう。
流石に主人公は付き合いきれず、一度別れを告げた。
しかし、その後、冬子が成長するために主人公は関わりを再び持ち始める。
その時は適度な距離感を保ち、近づきすぎず、遠すぎず、その中で見守りながら自立を促していた。
このような対応を見て、もしこのような女性が現実にいて、関わることになったらこんな対応がいいのだなと感じることができた。
現実にはこのような女性がいるかもしれない。そうした時、私自身もどのように関われば良いのかわからないので、関わり方の一方法として参考になった。
クロスチャンネルは人間関係の形成に悩む少年に視点を置き、人間関係の素晴らしさや難しさを伝える良い作品だと感じた。