MOON.について
私は多くの物語を読む。
その中でも、好きなライターさんがいる。
その中でも3人すごいと思うライターさんがいる。
1人目は、何度か記事で取り上げている田中ロミオさん
2人目は、carnivalやSWAN SONGを書いた瀬戸口廉也さん
3人目は、シナリオから音楽まで幅広く製作する麻枝准さんである。
今回は麻枝准さんが最初に書いたと思われる物語、MOON.について考察を書こうと思う。
MOON.を端的に表すならば、母親が死んだと思われる原因のある宗教団体に潜入し、滅ぼす、 という内容である。
主人公の天沢郁末は、ある日母親が死んでいるのを目撃する。
その原因が母親が所属していた宗教団体であると考えたので、危険を顧みて宗教団体に侵入する。
その際、ハルカとユイという同じ目的を持った人たちと合流することができ、協力することになる。
宗教団体では、不可視の力という力を身につけるための修行が行われていた。
郁未の受けた修行とは、心的な負荷をかけながらも、気持ちを切り替えられるように楽しい思い出を思い出させるという内容である。
主に二つの修行があり、一つ目は自分自身と向き合い、過去に犯した過ちについて思い出し、向き合うということ、二つ目は、過去に起きた母親などに関する内容を思い出させるという修行である。
この二点がとても私は重要であると思う。
自分自身と向き合いながら、過去に犯した過ちを見つめ直し、次に進む。
また、母親との思い出というのも重要である。
心理学的にはPTG(心的トラウマ後成長)と愛着形成の二点について書かれていると思っている。
過去に犯した過ちについて受け止め、それをバネに次頑張ろうとする。
また、それを行う際には自身が信頼できる他者が必要である。
それが多くの人の場合母親である。
母親との安定した愛着形成ができていると、自分自身が困った時も頑張ることができるということが多い。
人が強くなるためには他者が必要である。
また、発達的な視点でいうと乳児期から誰でもいいから信頼できる他者が必要である。
そして、困難に立ち向かっていく。
そのようなメッセージを感じられた作品であった。
家族との関係が重要であることが私には伝わった。