ドキドキ学園5話
「君はそう考えるか。人生の過程は確かに大切だね。しかし、私はそれを否定するよ。人生の過程というものは確かに大切で思う反面、全ては始まりと終わりであると。詰まるところ、人生過程がいかに良いとしても終わりが良くなければ失敗だと思うのだよ。いかに富を持ち、人望を持ち、名誉を得て、好きなことができたとしても、最後自身に対して満足していなければ意味はない。とはいうものの、これらの要素があればもしかすると自己満足する可能性はあるかもしれないが、果たしてそれで良いのか。生命とは生きるために生きていると私は考えている。この生きるという意味を私は何かを残していくということだと思うのだよ。自分自身が生きてきた証、それがしっかりとこの世に残ることにより自身の生命というものが肯定される。だからこそ生きてある意味があるのだと。生命という空前の燈が消える時に何か少しでも残すことができればその人生というものは生物として良いものだあると私は思うよ。」
なるほど、先生の言うことにも一理ある。しかし、私は生命という大きな枠組みで捉えるというよりは個人としてどう捉えるのかを大切にしたい。
「まぁ先生の言うこともわかりましたよ。」
そう言うと同時にチャイムがなった。
「おやおや、もうこんな時間かい。まぁ君も程よく頑張ることだね。学問などと言うものは身につけるだけでは意味なくそれを活用し、他者に貢献することに意味がある。そのために学び、思考を深めるために考える必要があるのだよ。それじゃ私は職員室に戻るよ」
そう言うと先生は呆気なくさっていってしまった。
この人と話すのは疲れる。いちいち理屈っぽいのだ。
まぁたまにはいいことを言うこともあるが、面倒だと感じないと言うと嘘になる。
とりあえず、少し休むか。