cross channelをプレイしてみて ネタばれあり
まだ、本作をクリアはしていないが、所々印象的で考えさせられる点があったので忘れない内に言葉で表したいと思う。
大雑把な感想としては、どんなに不十分な人間でも、人と心からのつながりや共有できる体験をすることで、意識が変わっていくんだという印象を受けた。
この作品に出てくる人たちにまともな人は1人も存在せず、欠けているものが多い。
欠けているものが多い理由としては、過去の出来事や生活環境など、様々なものが考えられるが、あまりにも精神的に病んでいると思う。
まず、女性の多くがなんらかのパーソナリティーに異常があるなと思ってしまう。
境界性パーソナリティー、自己愛性パーソナリティー、依存性パーソナリティーなど、一般人とはかけ離れた心理状況である。
認められたい、裏切られたくない、嫌われたくない、そのような心理が彼女たちをこうぉうさせているように感じられた。
そのため、行動一つ一つが、異常に感じられる。
そのような関係の中で、友情とは何なのかということを主人公は葛藤する。
異常であるということは、理解してくれる人がほぼ皆無であるのか或いはいない状態である。
しかし、主人公は理解者を求める。
求めてもいないということを知りながら。
異常者が集まっても、同じタイプの人がいないとおそらく分かり合えないと思う。
同じ思考のスタイルだからこそ、共感できるものがある。
だから、よほど似ている人でないと理解者を得られることはできないと私は思う。
しかし、そのような関係であっても、人はお互いに影響しあって変化して行く。
作中にも主人公がそのようなことをよく言っていた。
以下、作中内での主人公のセリフ
自分のためでいい。自分のために、人を大切にして構わない。
明日……少しはましな自分になるために。
俺にはまだ仲間がいます。
築き上げることは、心を傷だらけにすることでもあります。
つらいことばかりで、美しくないことです。
でも人には人が、必要だと思いました。
人間関係って、自分で思ってるより大切なんじゃないかなって思う。
他人からの影響が、自分を作るんだって。
俺はそれを実感しちゃうんだけど、キミはどうかな?
一人で生きていけるならいいんだけど……そういう強さがあるなら。
けどたいていのヤツって、弱いと思うから。
俺もね。ホントに一人になったら、絶対壊れると思うんだよ。
悪意ばっかりの世界だけどさ。
だいたい悪意なんだけどさ……そんでも、誰かいるわ。
自分以外の誰かが。
友達を作るのは大変だ。でも作らずにはいられない。どうしてだかわかる?必要だからだ。心を育てるためには。
理解者が欲しいけど、理解してくれる人はいないと分かるという点とそうであるけれども、人がいることで自分が成長するとわかっている、このような矛盾を抱えながら、主人公はバラバラになったみんなを幸せになるために、努力している。
自分自身がとんでもなく黒い闇を抱えていながら、それを乗り越えようと頑張っている。
そんな主人公がとてもカッコよく思う。
異常でありながら普通に生きたい、とても難しいことだと思う。
しかし、この作品をすることで、自分が何気なく接している友人達が自分というものに影響を与え、成長させてくれていると実感させられる。
友達とはとても大切なものであり、お金では買えない心のつながりを実感させてくれる存在であると思った。